「Refuge　O　ForestⅠ・Ⅱ」

2021 11/13

「Refuge　O　ForestⅠ・Ⅱ」

リフュージュ・オ・フォレストⅠ、Ⅱの賃貸集合住宅は、エコロジーとエコノミー、さらにデザインをどう同時に成り立たせるかという問いに対し、実際的な回答（あり方のひとつを提示する試み）です。

具体的な特徴は、都市（建築）と森林と農地という一見相反すると思われていたものを、あえて混在させ、互いに役に立つようセットし、都市（建築）と森林と農地の同時再生をすることで、結果的に両立させることを意図しています。

アグロフォレストリー、ハウスフォレストリーのように、落葉高木の下に建築をセットすると、夏は葉が太陽光を遮り涼しく、冬は落葉し日射で暖かい理想的な温熱環境となります。こうして再生された擬似森林は、昆虫や鳥の集まる木漏れ日の降り注ぐ癒しの環境を与えてくれます。そのため、賃貸料が高くても入居者は満足し、賃貸料の一部は森林の管理費用に充てられ、森林も経済的に持続可能な事業計画となります。

ちなみに巨木はすべて伐採予定のものを森ごと移植再生しています。農地は屋上に再生され、家庭菜園と水路を持つ、入居者の憩いの場となるとともに、建物の断熱効果を高めています。また、西側と北側には、落葉してかつ花の咲く蔦で壁面緑化を行い、省エネと癒しの効果を作り出しています。さらに敷地の5ヶ所に雨水利用タンクを設け、植栽などの散水に使用しています。

将来的には、敷地全体約900坪を20年かけて段階的に整備し、最終的には鬱蒼とした森林と農地の中に佇む良好な集合住宅が出現する予定です。