環境建築
カムフラージュハウス
カムフラージュ(camouflage)とは、生物学の「擬態」のひとつのあり方です。周りの環境に身体の色や形態を似せ、周囲に溶け込むようにすることで、天敵から身を守ることです。
昆虫などの小動物、例えば、木の葉に良く似たコノハ虫、カレハカマキリ、木の枝のようなナナフシ、体色を変えるカメレオン、海では、海草にそっくりなタツノオトシゴ、珊瑚にそっくりなギンボ、色や形を周囲に合わせて七変化させるイカやタコなど、数え上げたらきりがありません。逆に言えば、地球上の小動物のほとんどは、カムフラージュというあり方を選択しているともいえます。
また、カムフラージュというあり方は、周囲の環境に同化することで総体として美しい自然の景観を作り出しているという見方も出来ます。確かにそれは天敵の存在が前提のあり方なので、人間のようにもはや地球上に天敵がいない場合には、逆に目立つことが経済上、政治上有利になったりもします。人工物や建築のあり方もまったくこの通りになっています。
天敵がいなくても周囲と調和した美しい風景は作れないのでしょうか。カムフラージュハウスは、ふとそんなことを考えさせられる建築かもしれません。
セービングハウス
セービングハウスは、エネルギーや資源をセーブ(節約)しつつ、デザインもセーブする慎ましさの家です。
日本的な美しさとは、ひとつには、慎ましやかな美しさ、自然や他のもの(他者)との調和から醸し出される美しさ。そのあり方がとても好きです。 アメリカなどの国々によって、圧倒的に影響を受けた戦後の日本、グローバル化、市場原理主義、経済至上主義。マネーの力は一人歩きを始め、多くの価値観を単一の尺度(経済や偏差値)にしました。
慎ましやかさからくる美しさ、そういうあり方に人間も建築も環境ももう一度トライしたい。それがセービングハウスの願いです。